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(木工用ワックスのための)サンディングのやり方

サンディングのやり方

木工用ワックスのためのサンディング方法です。

少なくともプレナーを通してある無塗装の無垢板を例として説明します。
初めての方、特にご家庭で作業される場合を念頭に記述しています。基本的な部分は他の仕上げ方法での素地調整にも応用できます。
あくまでも私が良いと思うやり方です。参考としてお読みください。経験や好みによって、各自やり方は様々になると思います。
ご参考にされる場合、まずは一とおり目を通すことをおすすめします。

【用意するもの】

  • サンドペーパー
  • 当て木(サンディングブロック、片手に収まる平面の出た木片、お好みに応じてゴムの物など)
  • 清潔で無色の柔らかい布
  • 防塵マスク(使い捨ての物で可 ※DS1以上)
  • 保護メガネまたは必要に応じてゴーグル
  • 作業着やエプロンなど汚れても良い服
  • 集塵機または掃除機
  • 必要に応じてダスター刷毛など
  • 下に敷く新聞紙やボーガスペーパーなど

【用意するサンドペーパーについて】

  • 空研ぎペーパーが使いやすいのでおすすめします。
  • #120、#180、#240を用意すれば足りる事が多いです。
  • 更に#80、#320もそろえておけば、ほぼ万全です。
  • 番手はこれが絶対ということではありませんが、まずは上記の番手をおすすめします。
  • 材面に傷がほぼ無い状態であれば#240や#320だけで済む場合もあります。

サンドペーパーの番手
サンドペーパーの番手

※作業の際は保護メガネかゴーグルを着用しましょう。
※作業着やエプロンなど汚れても良い服装をおすすめします。

【サンディング前の準備 - 水引き】

  • 清潔で無色の柔らかい布を濡らして水が垂れ落ちない程度に絞ります。
  • サンディングする面全体を一度濡れ色になる程度に軽く湿らせます。
  • 広い面などは水引き作業中、先に湿らせた箇所が乾いてくることもありますが、先に進んで大丈夫です。
  • 薄い板の場合は同時に反対側の面も同様に湿らせたほうが良いでしょう。
  • 湿らせた面に空気が当たるようして日陰に置き、乾くのを待ちます。両面湿らせた場合は反対側にも隙間ができるようにして置き、時々裏返しましょう。
  • 乾いたらサンディングを開始します。
※水引きは、後で木材が吸湿し、繊維が起き上がってきたり、機械や工具による凹みが戻ってきたりすることで起きる不具合を軽減するために、前もって強制的に木材の繊維を膨張させる作業です。

水引き
水引き

【サンディング】

  • 粉塵対策のためマスクを着用しましょう。
  • 周囲を汚したくない場合は新聞紙などを敷きましょう。
  • 最初に機械や工具によるツールマークなどの傷を消していきます。
  • 傷を消せる最も低い番手が最初の番手となります。多くの場合、#120が最初の番手になります。#120で傷が消えそうにない場合は#80が最初になります。
  • 木材の繊維方向に沿った直線運動で、傷の無い箇所も含め対象面全体を均等にサンディングしていきます。
  • この時、柔らかめの鉛筆などで筆圧をかけずに薄く、斜線を対象面全体に引いておくと、均等にサンディングできているか簡単に目視できます。
  • サンディングによる粉は適時、ダスター刷毛や集塵機などで取り除きながら作業しましょう。目詰まりした粉を引きずると材面を傷つける原因になります。
  • 傷消しは最初の番手だけを使い、通常は傷が隠れるまで、対象面全体を繰り返し均等に行います。この作業が肝心だと思います。
  • 傷が隠れ、均等にサンディング跡がついたら一段階上(#80なら#120、#120なら#180)の番手に持ち替えます。
  • 前の番手のサンディング跡が隠れ、全体に現在の番手のサンディング跡がついたら、さらに一段階上の番手に持ち替えます。以降も同様に番手を上げていきます。
  • (#80)→#120→#180→#240→(#320)の順に使用します。
  • 最後の番手(通常は#240、場合によっては#320)まで行います。
  • 材面の最後の粉を取り除いて終了です。
※何番で終わるかは主に木材の樹種によりますが、お好みで良いでしょう。

鉛筆による斜線を参照しながらサンディング
鉛筆による斜線を参照しながらサンディング

対象面全体を均等に削った状態
対象面全体を均等に削った状態

適時、粉は取り除きましょう
適時、粉は取り除きましょう

【その他のポイント】

  • 木材の繊維方向と交差する方向にサンディングするとサンディング跡が目立ちやすくなってしまいます。
  • サンドペーパーを押さえつける力の加減は、サンドペーパーがしっかり材面に当たる程度でいいです。力を掛け過ぎると材面にダレが生じやすくなったり、無用な傷を付ける原因になったりします。私の場合は、人の背中をさする時のような力加減でサンディングしています。
  • 紙パック式掃除機は早期にサンディングの粉が目詰まりしがちです。サンディングする物の数が多い場合や面積が広い場合は集塵機の使用や2ステージ集塵をおすすめします。
  • #80でも消えないほど深い傷を取りたい場合はカンナなどを使用したほうが良いでしょう。サンドペーパーで落とすのはあまりおすすめしません。
  • 表面の状態が良くない材料を使わざるを得ない場合、使いどころやご自身の妥協できるレベルなどによっては、必ずしも全ての傷をとらなければならないという事もないでしょう。
  • 低い番手(私の基準では#120以下)は木材を減らしやすく、材面がうねりやすいです。硬めの平らなサンディングブロック(片手に収まる平面の出た木片など)を使うほうが良いでしょう。
  • 高い番手は木材を減らしにくくなります。もっと柔らかい当てゴムや手を使ってサンドペーパーと材面の密着を優先し、サンディング跡を消す効率を上げても良いでしょう。ただし求めている平面度にもよります。
  • 番手を上げていく際に、途中の番手を飛ばさないで順々に上げていきましょう。(サンドペーパーの番手の間隔については様々な考え方があります。この例では百番以上飛ばさず、かつ増分は50%以内という考え方を採っています。)
  • 最終番手を#320より高くしても悪いわけではありませんが、素材表面の滑らかさとワックスの定着のバランスが良いのは#240、#320あたりだと思います。
  • サンディングによる粉を最終的に除去する際、ダスター刷毛や集塵機では、ごく微小な粉は取りきれない事があります。それらを除去するには、ご家庭での場合は、水に濡らした清潔な無色の木綿の布を、材面を濡らさない程度まで固く絞り、拭くのが良いでしょう。
  • タッククロスはあまりおすすめしません。使用すると材面に粘着剤がわずかに残ってしまったような感触があります。


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